佛対応

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が、雨の中でご自身のトレーニングを熱心に見守っていた少年ファンに対し、ボールをプレゼントし、一緒に写真を撮るという「神対応」・「佛対応」を見せたという記事です。


試合開始が遅れるほどの雨の中、じっと待っていてくれた少年に向けて、大谷選手は自然な振る舞いで感謝の気持ちを伝えられました。この姿に、世界中から「世界一やさしい」・「なんてクールなんだ」と称賛の声が集まっているそうです。


この大谷選手の行動を拝見し、小生は仏教の教えにある「無財の七施(むざいのしちせ)」という言葉を思い出しました。


「お布施」と聞くと、金銭や品物をお供えすることだと思われがちですが、仏教では「財産がなくても、誰にでもできる七つの布施(施し)」があると教えられています。


その中の一つに「和顔施(わげんせ)」があります。これは、穏やかで優しい笑顔で人に接することです。また、「言辞施(ごんじせ)」という、思いやりのある優しい言葉をかけることも含まれます。


大谷選手は、雨の中で待つ少年に、特別な見返りを求めることなく、ただ純粋な感謝の気持ちから、笑顔で接し、ボールを手渡されました。これはまさに、現代における「無財の七施」の実践ではないでしょうか。


私たちが生きるこの世界は、時に自分の利益や損得勘定で動いてしまいがちです。しかし、大谷選手のように、目の前にいるたった一人の人に、見返りを求めず、ただ純粋な優しさを差し出すこと。その小さな「和顔施」が、少年の心を温め、さらにはニュースを通じて世界中の人々の心を温かく照らしています。


私たちも、日々の生活の中で、家族や友人、あるいはすれ違う見知らぬ人に、ほんの少しの優しい笑顔や温かい言葉を贈ることができるはずです。


雨の日の憂鬱な気分も、誰かの優しい笑顔一つで晴れやかになることがあります。大谷選手の素晴らしい振る舞いに学び、私たちもそれぞれの場所で、小さな「お布施」を実践していきたいものですね。


皆さんの今日一日が、穏やかで優しい笑顔に包まれますようにと願っております。


合掌 南无阿弥陀佛 善本 秀樹 拝

佛対応_d0184114_15581495.jpeg

# by junshoji | 2026-04-06 15:52 | 住職日記

人と比べない

 私たちは、日々の生活の中で、ふとした瞬間に悩みを抱えることがあります。


「あの人はあんなに成功しているのに、自分は…」
「隣の芝生は青く見える」という言葉があるように、他人の持っているものや、他人の置かれている状況がうらやましくなり、「あんな風になりたい」と願うことは、誰しもが経験することではないでしょうか。


実は、私たちの悩みの多くは、この「自分と他人を比べること」から生まれています。


仏教では、すべての命はそれぞれが「唯一無二」の尊い存在であると教えられています。


うまく言えませんが、春に咲く桜には桜の美しさがあり、秋に色づく紅葉には紅葉の美しさがあります。桜が紅葉になれないように、紅葉が桜になれないように、私たちは誰か他の人になることはできませんし、なる必要もないのです。


阿弥陀如来さまは、私たち一人ひとりを「そのままの姿で尊い」と、ありのままに受け入れてくださっています。お慈悲の光は、誰かと比べて優れているから照らされるわけでも、劣っているから見捨てられるわけでもありません。


「あの人のようになれない」と嘆くのではなく、「私には私にしか歩めない善い道がある」と信じてみませんか。


過去を振り返って後悔したり、他人と比べて自分を卑下したりするのではなく、今、ここにいる「唯一無二の私」を大切にしてください。


そして、前を向き、ご自身のペースで一歩ずつ歩みを進めていただきたいと願っております。


合掌 南无阿弥陀佛 善本 秀樹拝

人と比べない_d0184114_15491807.jpeg

# by junshoji | 2026-04-05 15:45 | 住職日記

雨の桜満開

 本日はあいにくの雨模様となりましたが、慈光山・順照寺のすぐ近くあります妙法寺川公園では、桜がまさに満開の時を迎えております。晴天の青空に映える桜も格別ですが、雨に濡れ、しっとりと佇む桜の姿には、また違った趣と深い味わいがあるものです。


傘を差し、雨音を聴きながら川沿いを歩いておりますと、ふと恥ずかしながら一つの詩が心に浮かんでまいりました。


春雨に 濡れて色増す 桜花
散るを恐れず 今を咲ききる自然からの 恵みの雫 受けとめて
根を張り巡らす 命の力晴れの日も 雨降る日にも 変わらずに
我を包むは 如来の慈悲よ


雨は、時に私たちの足元を悪くし、予定を狂わせる「厄介なもの」として敬遠されがちです。しかし、草木にとっては命を育む大切な恵みであり、桜の花びらについた雨滴は、まるで宝石のようにキラキラと輝いて見えます。


私たちの人生もまた、同じではないでしょうか。


晴れ渡るような順風満帆な日もあれば、冷たい雨に打たれ、悲しみや苦しみに立ちすくむ日もあります。しかし、その雨(苦難)があるからこそ、私たちは他者の痛みに寄り添う優しさを持ち、人として深く根を張ることができるのだと思います。


阿弥陀如来さまのお慈悲は、晴れの日も雨の日も、決して変わることはありません。私たちがどのような状況にあろうとも、「そのままのあなたでいいんだよ」と、常に温かい光で包み込んでくださっています。


雨に濡れながらも、力強く、そして美しく咲き誇る妙法寺川公園の桜を見上げながら、如来さまの分け隔てのないお慈悲の心に、改めて深く手を合わせる一日となりました。ありがとうございました。



合掌 南无阿弥陀佛 善本秀樹 拝

雨の桜満開_d0184114_16074610.jpeg

# by junshoji | 2026-04-04 16:01 | 住職日記

桜満開

 4月も3日となりました。


いよいよ妙法寺川公園の桜も満開となりました。


明日はまた雨が降るようですが、今日が一番の見頃かもしれません。


5日に桜まつりが妙法寺川公園西側で開催されます。


5日は晴れるようです。


来週から入学式・新学年が始まります。


今から新たな気持ちで前に進みましょう。


常に笑顔と感謝の気持ちがあれば、何事もうまくいきます。


まずは、ありがとうと声に出しましょう。


合掌 南无阿弥陀佛 善本秀樹 拝


桜満開_d0184114_14503794.jpeg


# by junshoji | 2026-04-03 14:47 | 住職日記

アメリカ合衆国とイラン

 2026年2月末に始まった米国とイスラエルによるイランへの軍事行動「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」作戦は、すでに1か月以上が経過し、報道によれば対イラン戦争の死者は5,000人を超え、その中には多くの子どもたちや民間人が含まれているとのことです


4月1日夜(日本時間2日午前)、トランプ米大統領は国民向けの演説を行いました。「核心的な戦略目標は完遂間近」と力強く語り、今後2〜3週間で「極めて激しい攻撃」を継続し、相手を「石器時代に戻す」とまで発言しました 。また、ホルムズ海峡の安全確保については「日本などにやらせればいい」と名指しし、自国の軍事的な成果を強調する一方で、戦争終結の具体的な道筋は示されませんでした


仏教には「怨みは怨みによって息(や)むことはない。怨みを捨ててこそ息む」というお釈迦さまの言葉があります。武力によって相手をねじ伏せ、「勝利」を宣言したとしても、そこに残るのは破壊された街と、人々の心に深く刻まれた憎しみの連鎖だけです。暴力で平和を築くことはできないという真理を、人類は歴史の中で何度も学んできたはずです。


トランプ大統領は今回の戦争を「未来の世代のための真の投資」と表現したと伝えられています 。しかし、真の指導者に求められるのは、他者を破壊する力ではなく、対立を乗り越え、共に生きる道を探る「慈悲」と「智慧」ではないでしょうか。自国の利益や面子だけを追求する「我執(がしゅう)」にとらわれている限り、真の平和は訪れません。


遠く離れた日本にいる私たちにできることは限られているかもしれません。しかし、決して無関心であってはなりません。


戦火に倒れたすべての人々に哀悼の誠を捧げるとともに、一日も早く武器が置かれ、対話による解決への道が開かれることを、阿弥陀如来さまの御前にて深く祈念いたします。


合掌 南无阿弥陀佛 善本 秀樹拝

アメリカ合衆国とイラン_d0184114_19193914.jpeg

# by junshoji | 2026-04-02 19:13 | 住職日記