花粉症考察


  春の訪れは、多くの命が芽吹く喜びに満ちた季節であると同時に、花粉症に悩む人々にとっては、試練の季節の始まりでもあります。何を隠そう、この私もその一人でして、長年スギ花粉と付き合ってまいりましたが、これからはヒノキの花粉が飛散のピークを迎えるとのこと。今年もまた、目のかゆみや鼻水と格闘する日々が続きそうです。


近年、この花粉症に悩む方の数は年々増え続け、今や国民の4割以上が罹患しているという調査結果があります。かつては、これほど多くの人が苦しむ病ではありませんでした。この事実は、私たちに何を問いかけているのでしょうか。


花粉症とは、私たちの身体を守るべき「免疫」という仕組みが、本来は無害であるはずの花粉に対して「過剰に反応」してしまうことで起こるアレルギー症状です。身体が花粉を「敵」と誤認し、くしゃみや鼻水、涙といった手段で、必死に外へ追い出そうとしている状態なのです。


この「過剰反応」という言葉に、私は深く考えさせられます。私たちの身体に起こっているこの現象は、どこか現代社会に生きる私たちの「心」のあり方と重なって見えはしないでしょうか。


些細な出来事に心を乱し、過度に不安になったり、怒りにとらわれたりする。他人の言動に一喜一憂し、心がかき乱される。情報過多の社会の中で、本来は受け流してもよいはずの刺激の一つひとつに、心が「過剰反応」を起こしてはいないでしょうか。


身体が花粉に過敏に反応するように、私たちの心もまた、様々な刺激に対して過敏になり、疲れ果ててしまっているのかもしれません。


合掌 南无阿弥陀佛 善本 秀樹拝

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by junshoji | 2026-03-12 17:04 | 住職日記