2025年 12月 13日
思い通りにならない人生
師走の慌ただしさの中で、ふと耳にする言葉があります。
「人生は、なかなか思い通りにはいかない」
「ああしたい、こうしたい」
「どうして私だけが……」
誰しも一度は、そんな思いを抱いたことがあるのではないでしょうか。
私たちは知らず知らずのうちに、「こうあるべき」「こうであってほしい」という自分なりの「筋書き」を心の中に描いています。
しかし現実は、その通りには進みません。努力が報われないこともあれば、思いがけない出来事に足を止められることもあります。
佛教では、これを「思い通りにならないのが、この世の真理」と説きます。
それは決して悲観ではなく、「それが自然なのだ」という深い受け止めなのです。
苦しいとき、「なぜ自分だけが、こんな目に遭うのか」そう感じることがあります。
けれども、お釈迦さまは「比べる心が、苦しみを生む」とも教えられました。
人それぞれ、見えない荷物を背負い、見えない涙を流しながら生きています。
他人と比べるほど、自分の苦しみは大きくなってしまうものです。
不思議なことに、人生は思い通りにいかない時ほど、思いがけない出会いや学びを与えてくれます。
遠回りに見えた道が、あとになって「必要な時間だった」と気づくこともあります。
佛教の教えに「縁に生かされて、今ここにいる」という言葉があります。
自分で選んだつもりの人生も、実は多くの縁に支えられて、今の場所へと導かれているのかもしれません。
人生をすべて思い通りにすることはできません。
けれども、今日一日をどう受けとめるか は選ぶことができます。
・深呼吸をひとつ
・誰かに「ありがとう」をひとつ
・自分を責めすぎないことをひとつ
それだけで、心の重さは少し和らぎます。
思い通りにならない人生だからこそ、人は優しくなれます。
人の痛みが分かるようになります。
どうぞ今日も、そのままの自分で、静かに一歩を歩んでまいりましょう。
合掌 南无阿弥陀佛 善本秀樹 拝


