2025年 10月 06日
中秋の名月
今宵は十五夜・中秋の名月です。
秋の虫の音とともに、どこか懐かしく、穏やかな夜です。
昔から日本では、この夜を「お月見」として親しんできました。
収穫への感謝、自然への祈り、そして人と人との絆を確かめる日でもあります。
月を眺めるという静かな行為の中に、「今ある命を尊び、足るを知る」佛教の教えが息づいています。
お経にも、月をたとえにした言葉が多く見られます。
たとえば『維摩経』には
「月は清らかなれど、池の水が濁ればその影は歪む」とあります。
月が美しく輝いていても、私たちの心が曇っていれば、その光を正しく映すことはできません。
つまり、清らかな月を仰ぐように、まず自分の心を澄ませることが佛の道につながるのです。
雲に隠れていても、月はいつもそこにあります。見えなくとも、光は消えていません。
それは、佛さまの慈悲の光が、常に私たちを包んでくださっていることと重なります。
感謝と祈り・願いの心を胸に。
合掌 南无阿弥陀佛 善本秀樹 拝

by junshoji
| 2025-10-06 17:48
| 住職日記

