悪と善   

2011年 05月 04日

 世間では、善人、善い人、善いことをすれば必ず救われますよと説くのが通例でしょう。しかし浄土真宗の宗祖親鸞聖人は、悪人こそがまず救われると説きました。つまり世に言われる「悪人正機」説です。この悪人正機は字のごとく、まず悪人こそまず第一に佛さまに救われるということであります。これは、世間の常識、一般的な考え方から大きく外れます。それは何故か、世間では悪人というと私以外のこととして受け止められがちですが、本当はそうではなく、悪人=私のこと。小生はこのように受け止めさせていただいております。善人とは、善いことをしたからといって見返りを求めたり、知識や地位、名誉をあてにし、自分の力で救われていこうとする。善人であると勘違いしているのです。悪人、他の人が救われるのならば、善人、私が救われるのは当然と考えてしまうのです。悪人、私は佛さま阿弥陀如来さまにすがり、お念佛でしか救われる道はないと気付く者こそが、佛さま阿弥陀如来さまの願いそのものなのです。親鸞聖人の言われた「悪人正機」説は、なかなか理解し難いことですが、佛さま阿弥陀如来さまから見れば、善人も悪人もなくみないっしょなのです。「そのままの私でいい」と親鸞聖人はおっしゃっておられます。
合掌 南无阿弥陀佛 善本秀樹拝

by junshoji | 2011-05-04 14:17 | 住職日記

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