立夏   

2011年 05月 06日

 立夏。この時期になると、日中も気温が上がり、冬物の服では汗ばむほどです。もう夏物に衣替えしようかと、いやまだ朝晩は少し寒いからもう少し後でと、気持ちが交錯しているところです。山あいの緑も日増しに濃くなり、黄砂が飛んでこないと深呼吸したくなります。連休にもかかわらず悲惨な事件がありました。まず、生食ユッケの食中毒事件。亡くなられた方々もおられ、食中毒の恐ろしさを改めて知らされました。昔は牛肉や鶏肉の生は食べるなとよく言われていましたが、最近は殺菌さえすれば良いという安易さが、調理の手抜きを生んでしまったのではないかと思います。安価な為利益追求ばかりを追い、食の安全ということがまったく頭にはなかったのでしょう。命を失うなどあまりにも犠牲が大きすぎます。接客サービスの良さと衛生管理は表裏一体でなければなりません。次に、米軍特殊部隊による国際テロ組織アルカイダ指導者の殺害。アメリカ社会特にキリスト教の中には目には目を歯には歯をという通り、イスラムとアメリカ社会との応酬は絶えることはありません。やられたらやり返すという思想はいつまでも終わることなく、限りがないのです。後には憎しみ、悲しみしかありません。佛教にはそういう思想はありません。佛法に争いはないのです。いずれの事件にしても、尊い命が犠牲になっていることだけは間違いありません。人間の愚かさを今一度感じずにはおれません。
合掌 南无阿弥陀佛 善本秀樹拝

by junshoji | 2011-05-06 14:49 | 住職日記

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